なので、数学についても、数学を勉強することについても、特に興味はありませんでした。最近の日本の数学ブームの火付け役、「博士の愛した数式」も、すごーく素敵だしロマンチックだなあ!と思いますが、、小川洋子さんだし、映画にいたってはルビーの指輪の人ですからねえ。数字にしか興味がなさそうな数学者でも、こんなにキュンとくる役になっちゃうのねと思いました。
で、そのあとに出会ったのがコレ。
1996年にBBCが作成したもので、「フェルマーの最終定理」を証明したアンドリュー・ワイルズのドキュメンタリーです。これを見たときは、、うおおおお!ほんとにロマンチックなんじゃん!と衝撃を受けました。証明が完成するまでを回想したものなんですが、数学的な説明は理解できなくとも、この情熱というか執着心というか、、ロマンが伝わってきます。こんなにも多くの人が人生の大半を捧げてしまう数学って、、いったい何なのかしらと不思議に思ったきっかけになりました。
それから数年、本やらドキュメンタリーやらを見たところ、、どうやら私の知っている数学は、本物の数学ではなく、数学のための基礎、というか基礎を建てる前の草むしりみたいなもんだったことが分かりました(分かったのはそれだけか、って話もありますが)。本物の数学の世界は、、正解があるかどうかも分からない、哲学に近い世界のように見えます。(いろんな人から「数学の神さま」っていう言葉が出てくるのも不思議。) 考えて、考えて、、想像力がなければ進めないものなんだなあと、、、
群馬県の高校生数学コンテストも、パターン解法ではなく、「本物の数学」に必要とされる論理的な思考力とか、独創的なアプローチが評価されるコンテストなんですが、そのコンテストの表彰式にやって来た生徒が、「学校の数学の成績がいい奴が1人も入賞してない!」と言ってたのが印象的でした。中には「普段は国語が得意で、数学が苦手」という、自分の入賞にビビってた子もちらほら・・。受験数学のとらえ方とそんなに違うのかと私も驚きました・・・。でも、普通の学生生活を送ってて、リアル数学に出くわすチャンスはほぼないと思うんです。得意になれなくてもいいから、「実は数学って哲学だぜ、ロマンだぜ」的な紹介があると、やっぱり何かが変わると思います。ま、そんなわけでー、群馬の高校生は恵まれております。(えっへん)
しかもこのコンテストの後には、群馬県内に国際セミナーを持つ東京大学の数理科学研究科との共催で「高校生数学キャンプ」という、2泊3日の数学合宿があります。このキャンプでは「本物の数学の世界」プラス、「本物のハカセ」に会えます。笑 (県の担当者の方が、「我々には冷凍食品のようですが、彼らはおいしいパンを食べるように数学のことを語ってますよ」とおっしゃっていました。絵が見える分かりやすいたとえ!しかし私にとっては食べ物ですらないので、、せめて数字のクッキーを焼いて食べようと型を買った。↑)
長くなりましたが、最後にもう1つ「キャー!」だったドキュメンタリーをご紹介。有名ですが、NHKで放送された100年の難問「ポアンカレ予想」に関する番組です。ド文系が見てもわくわくできます。宇宙のかたちを証明って、、ロマンすぎるだろー。ひょえー。
(本編はこちらのNHKのオンデマンドで公開してます。2つバージョンがありますが、せっかくですので「数学者はキノコ狩りの夢を見る」の長いほうを。あと「リーマン予想」に関する、さらにロマンティックがとまらないドキュメンタリーもアリ。”素数は暗号”ってなんだー!)
(本編はこちらのNHKのオンデマンドで公開してます。2つバージョンがありますが、せっかくですので「数学者はキノコ狩りの夢を見る」の長いほうを。あと「リーマン予想」に関する、さらにロマンティックがとまらないドキュメンタリーもアリ。”素数は暗号”ってなんだー!)
No comments:
Post a Comment