今回は、この映画をすでに視聴された方の感想(っていうか、情報)をご紹介したいと思います。
私のブログでは、『Moleman2』のテーマでもあったコンピュータのサブカルチャー「デモシーン」に関わる人たちにインタビューをさせていただいているのですが、直近のゲスト0x4015さんは、記事を読んでの通りゲーム事情にも非常に精通した方。ゲーム界隈では「ファミべのよっしんさん」という名称で有名らしく、そちらのファンの方から「なぜ“よっしん”であるとインタビューに書かない?」とご指摘を受けるほどでした。(すみません、、)
そんなよっしんさんが、この映画をご覧になっていただけたようで、ひょんなことから監督のシラードさんとよっしんさんの会話を目にすることになった私。2人のメールを訳しながら、「この2人と私だけで読むにはもったいない気がするなぁ、、」と思ったので、双方に許可を取り、こちらで2人のやり取りを紹介します。
映画では、日本でファミコンのゲームを出そうと奮闘するハンガリー勢の様子が紹介されているのですが、そちらに関してのコメントが中心になっています。(特にネタバレとかもないので、映画を見てない方でも大丈夫です)
よっしんさん → シラード監督へのメッセージ
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「The Last Ninja」が元々ハンガリー製であるとは知りませんでした。
彼らの名前は、完成バージョンのクレジットに含まれなかったそうですが、
ちゃんと当時の関係者にコンタクトを取って直接インタビューするところが、
このドキュメンタリシリーズの凄いとろですね。
日本のメーカーとコンタクトを取るくだりですが、
この時期は、数年ごとに取り巻く事情が変化していましたので、
日本の時系列のどのあたりに繋がるのかが気になるところでした。
彼らがコンタクトを取った「ソニー」が「エピックソニー」だとすると、
当時この会社では、チップチューン方面で「黒船来襲」に例えられる「ソルスティス」や、
すぐ死ぬゲーで知られる「ドラゴンズ・レア」など、
ファミコン向けに洋ゲーの販売をやっていましたので、
コンタクトが取りやすかったんだろうなと、観ていて思いました。
逆輸入忍者モノとして、The Last Ninjaも移植してほしかったですね。
任天堂は、日本でもなかなかソフトメーカーとして参加できない人たちが多く居て、
同じように解析に頼って作られたソフトもありました。
この中で知られるのが「クインティ」というソフトで、
製作者たちはのちにポケモンの生みの親となります。
こちらが89年リリースとのことなので、ハンガリー勢と恐らく同じぐらいの時期だと思います。
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シラード監督 → よっしんさんにメッセージ
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コメントいただきありがとうございます!
日本で発売された初のハンガリー製ゲームは「Traffic」で、1986年に
Sony CorporationからMSX向けソフトとして制作されています。
映画内で日本でのビジネスについて語っていた当時のスタジオの
トップ(ドナート・キシュ氏)は、ノボトレード社を1986年か1987年に退社しているので、
(日本でのビジネスは)それ以前のことだと思います。
ファミコンをリバースエンジニアリングさせたのも彼なので、やはり86-87年あたりだと思います。
このチームは、日本のシステムソフト社から発売された移植版のゲームも手がけています。
どれが最初の作品なのかは分かりませんでしたが、
コナミから発売されたファミコンソフトにも、彼らの移植版があります。
ノボトレード社/アパルーサ社によるファミコンソフトには、こちらもあります:
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よっしんさん → シラード監督へのメッセージ
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補足情報ありがとうございます。
83年から始めて、わずか3~4年でここまで開拓してしまうのはすごいですね。
ノボトレード(アパルーサ)製でコナミ発売のファミコンソフトが、
日本では販売されていなかったのは残念です。
私はこれらのゲームの存在をしらなかったのでYouTubeで初めて映像を観ました。
いずれも、制約の中で背景のグラフィクスが丁寧に作り込まれていると思いました。
The Last Ninja と同様に、背景が少数のブロックの組み合わせで作られていますが、
日本のゲームとはかなり方法が違っていて興味深かったです。
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よっしんさん、シラード監督、ありがとうございました!勉強になりました!
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そのまえに、もうちょっと映画について知りたい!という方はこちらの記事をご覧ください!